桐の花と、只見線と。

おはようございます。

新潟県魚沼市の山合の温泉地’栃尾又温泉’

心がほどける五感を愉しむ 

’くうねるはいる’で心とからだをととのえる 宝巌堂

野菜大好き若女将、星智子です。

 

平成23年の7月の新潟福島豪雨では、

栃尾又も未曾有の被害を受けました。

おかげさまで温泉も、栃尾又のみんなも無事で、

今もこうして宿を営んでいられます。

 

その時に山から流れてきて、

(この表現もすごいですよね、つまり土石流で、です)

宝巌堂の土手に根付いたのが、

桐の木です。

 

桐の木は、

女の子が生まれた時に植えて、

お嫁に行くときにその桐で箪笥を作る、

というくらい、成長が早い木です。

 

その意味がわかるほどの成長ぶりで、

あっという間に背が高くなりました。

早く抜かないと、ここにでっこい木がそびえてしまうぞ、と

言われていたのですが、つい、そのまま。

はるか見上げるくらいです。

でも花は全くつかず。

ただただ、緑がきれいな木、でした。

 

小出から栃尾又へ向かうバス道中では

桐の木はたくさん見られます。

どの木も元気にたくさんの薄紫の花をつけています。

 

数年前に一度だけ、花が咲きました。

でもそれは、よく見かけるそれとはまったく違って、

花びらが3輪くらい、そんな小ささでした。

 

そして今年、

お客様を見送りに玄関に立ったら、

あれ?花が咲いてる!!!

 

このたびもまたなぜかひとつだけ。

でも、前回と違うのは、

このひとつが、

よく見かける桐の花、ちゃんとした形だったことです。

薄紫の花、見えますか?

 

感動したなぁ。

 

思わずチェックアウトのお客様にもお知らせ。

2人でしばし桐の花談義でした。

 

さて、

この時の豪雨で只見線はとんでもない被害にあいました。

橋は流され、今現在もその区間は代行バスです。

 

そして今年10月!ようやく全線開通するとの発表がありました。

長い長い9年でした。

でもたったの9年であの災害から復活です。

人のチカラは本当にすごい。

 

橋を復活させると決めた人、橋を作る人、工事に携わる人、

そして、只見線を応援するたくさんの人たち。

 

只見線を作ったときの、

昔々の記録写真集のページをめくります。

言葉はない。

一切ない。

ただただ、古い写真が語り掛けてくる、

当時の、苦労、力強さ、すごさ。

 

すごいのは、

この写真のどこにも

車おろか、重機の姿が一切ないこと。

 

いったいどうやってこの場所に

鉄道を通せたのだろう。

 

今年の10月はみんなのチカラの結集に、

最高のご褒美がもたらされます。

只見線に乗りに来てね!