夏が近づくと、売店用に下駄を仕入れます。
売店のものはまずは私やあるじや橘がいいなぁ?と思ったものや
宝巌堂で使っているもの、これは案外お客様からリクエストが多いんです。
そして私の出身地お江戸のもの、
あとはなんといっても、できるだけ地元越後のもの、と考えています。
下駄も出来れば県内で、国産のもので作っているところはないかなと思っていたのですが、
見つけましたよ!
旧巻町にある小林履物店↓
http://www2.ocn.ne.jp/~getaya/
早速行って来ました!
巻潟東インターを降りて10分くらい。
昔ながらの小さな商店街のなかにありました。小さなお店。
しかも中がよく見えない・・・。
うーん、どうしようかな・・・たいしたことないのかな?
このまま帰っちゃおうか。。。でも中に人影は見える。
えーい、思い切って!
’ごめんくださーい!’
中はお店というよりも問屋さんの雰囲気。
雑然としていましたが、これは明日から始まる催事のために商品を箱詰めしていたところでした。
つまり、大忙しの最中だったんです。
作業していたのはお母さんと娘さん。
お父さんと息子さん(たぶん三代目と四代目)は催事に出ているとのことでした。
このごったくの最中、いろいろとお話を伺ってきました。
今ではもう小林履物店さんのように全くの国産で下駄を製造しているところは
国内にも数は少ないのだそうです。
鼻緒のすげ方も個人個人に合わせてその場で調整をするのだそうで、
お店に並んだものは実際はまだ未完成なのですって。
履いてみてびっくり。履かせてもらえたのにも驚き。
普通、下駄に足を入れると鼻緒が多少なりとも伸びてしまい、
宝巌堂でもいままでは試着(?)をしていただくことはご遠慮願ってたからです。
でも、ここんちの下駄は違います。履いたあとも伸びた感じがない。変化がないんです。
どうやら、鼻緒のすげ方が違うようです。
肝心なことですが、全く痛くないのです。
お値段だけ伺えば、いいお値段。
でも、お母さん曰く、
‘本物を扱いたい。そうやって来たから今でも何とか生き残っている’
うーん!はまった!
こういうものこそ、是非置かせて頂きたい品物。
本物しか、結局最後まで残れないのですよね。
卸はやっていない、という話からスタートしたのですが、
話が進むにつれ、なんとか置かせていただけることになりました!
ありがとうございます。
娘さんがそのとき履いていた、ウェッジソールのような土台の下駄は
洋服にも合いそうな素適なものでした。
これらを含めてひとまず5足発注。
お目見えは、この時準備していた催事が済んでからということなので
もう少々先のことですが、今からワクワクしています。
鼻緒は私が選びましたっ。
結構モダンなものもありますよ。
どうぞお楽しみに!!!