ばあば、逝く。

こんばんは!

新潟県魚沼市の山合の温泉地’栃尾又温泉’

心がほどける五感を愉しむ 宝巌堂 の

野菜大好き若女将、星智子です。

 

ようやく4月中にブログの更新ができそうです!

忙しそうだけど、大丈夫ですか?元気?

とご心配をおかけしました。

大丈夫、元気です!ありがとうございます。

 

おかげさまで、たくさんのお客さまをお迎えできた、

1ヶ月でした。

宝巌堂のお年玉年賀状のご利用期間のラストスパートもあって、

皆さんが、ワクワクでお越しくださいました。

今年は1.700枚くらいの年賀状をお出しして、

約3か月間、ご利用数がなんと、174枚。

1割のお馴染みさんが年賀状を使ってくださったということです。

嬉しいなぁ!

そして2桁の当選数が、73組。

残念ながら、今年も3桁当選は出なかったー!

 

こうして年の初めに皆さんとワクワクできること、

宿屋冥利に尽きます。

ありがとうございます。

 

 

さて、

お知らせしなくてはなりません。

 

4月2日、

あるじのお母さん、そして、私のおかあさん、

娘のばあば、

宝巌堂一族、みんなのアイドル、

ばあばが亡くなりました。

 

亡くなる2日くらい前、

顔を見に行ったら、いつもと同じようで、顔色もよさげ。

うつらうつらしていたので、

′また来るねー!’って伝えて(とは言ってもばあばはたぶんわかってないけど)、

その足でスーパーに行った。

そのスーパーで久々に義姉①に会った。

 

’こんなところで会うなんて超久しぶりー!

今、ばあばのところに行ってきたけど、顔色いいねー!’

 

’だよね、なんか落ち着いてるよねー!’

 

と、ひとしきりおしゃべりをして、

私は次の買い物先へと、向かった。

 

そして、

その帰り道、

ふと携帯を見ると、

さっき別れたばかりの義姉①と、さらに

義姉②からも、電話が入ってた。

 

珍しすぎる。

いやな予感。

 

その予感は、当たった。

 

’ばあばが息してない、って’

と義姉①。

 

え?そんな?

さっき、元気そうだよね、って話してたばかりだったよね。

 

信じられないけれど、

でも、

ついに来るときが来た、と思った。

 

病院に一番近い位置に居たのは、

私だったらしく、

着いたら、誰もまだいなかった。

看護師さんに案内されて、

いつもとは違う部屋に行くと、

いつものような、ばあばが居た。

 

息をしているのか、

していないのか、

なんだかわからなかった。

いつものように寝ている感じもした。

 

でも、

ばあば、と、呼んでも、

もう目は開かない。

 

そのうちに、義姉たちとあるじも到着した。

先生もいらして、

全員揃ったところで、

’死亡確認’というものをした。

 

97才。

老衰。

 

お葬式の日は、突然やってきて、

お客さまには本当にご迷惑をおかけしてしまいました。

ご理解をいただいて、

温かいお言葉をかけていただいて、

本当にありがとうございます。

おかげさまで、皆でばあばを送ることができました。

 

ばあばは、体調を崩してから、

義姉②と一緒に暮らしていました。

だから、ずっと離れていたので、

いなくなったというような気がしません。

でも、ひょっこり、出て来そうな気も、

また、しません。

 

だから本当に大往生なんだな、と思います。

きっともう思い残すことはなく、次へ行ったのでしょう。

 

お昼も、おやつも食べて、

四十九日間の旅に出ました。

なんともばあばらしい、と、

みんなで大笑いしました。

 

ばあばが残してくれたものは、

みんな、私の中に、あります。

事あるごとに、日々の生活の中に、

ばあばの言葉が出てきます。

 

一緒にフキやズイキの皮、たくさん剥いたよね~、

ぜんまいの綿取りもしたねぇ。

多すぎるフキノトウの処理もがんばったよねぇ~、

茄子漬の塩加減を教えてもらうのに、たくさん塩水、舐めたねぇ~、

きゃらぶき作るの、もう私も一人で、できるようになったよ。

ばあばのごった煮も、いい感じの老成加減になってきたよ!

茄子漬も、直伝だもんね!ばっちりだよ。

 

ねぇねぇ、ばあば、

私が出産で実家に帰ってた時、

何泊も追加、追加、のお客さんに、

’おまえさん、きりがないのぉ~’っなんて

失礼なこと言ったことあるでしょぉ!

 

とうちゃん(あるじ)の悪口を

ふたりで言ってた時、

とうちゃんに聞かれたことあったよねー!

’お前さんたち、おれの悪口をそんなに大声で言わないでくれる?’

って言われて、焦ったよね!

超面白かったよね~~!

 

そういえば、一緒に買い物もよく行ったんだよね、

靴のセールとか、アウトレットの工場も行ったね。

ゆーぱーく薬師に、夜車を飛ばして温泉に入りに行ったこともあったねぇ。

栃尾又に入ればいいのにね!ちょっとした小旅行気分だった。

 

いろんなこと、次から次へと、

思い出します。

 

’おまえさん、体に気を付けての。’

 

自分が臥せっているときも、

いつもいつも気にかけてくれた。

 

最高のばあばだった。

またね、ばあば、

次に会う時も、私のこと、絶対に覚えててね。

 

本当にありがとう、ばあば。

本当にありがとう。

 

(娘作)